2013年7月8日月曜日

スポーツ界トップに必要な語学力


コンフェデ杯の期間中とその前後に、何度かFIFAのブラッター会長の記者会見に出席した。

彼は英語で記者会見に応対するのだが、スペイン語で記者が質問した時には、スペイン語で返答していた。ちなみに、フランス語の質問にはフランス語で、ドイツ語にはドイツ語で答えるという。最後のスピーチの際にもフランス語のフレーズを入れていた。

聞けば5カ国語を操るという。その語学力を生かして人脈を築いていったのだろう。

昨日書いたグアルディオラ監督。バイエルン・ミュンヘン移籍後の最初の記者会見で、ドイツ語・スペイン語の同時通訳がついたものの、ほぼ全ての質問に対してドイツ語で答えたという。

「昨年夏、バルセロナ監督を勇退し、ニューヨークで1年、休養期間を過ごしたが、その間に勉強したというドイツ語の成果を披露した」とブンデスリーガの公式サイトは伝えている。

スポーツ界のトップや監督で、何カ国語も話せる日本人は極めて少ない。というより、英語でさえほとんど話せない。「言葉が通じなくても心は通じる」などと日本の教育は真っ赤なウソを教えているけれど、言葉が通じなければ何一つ通じないのが世界の常識だ。

いま問題になっている全日本柔道連盟の上村春樹会長は国際柔道連盟の理事を務めているが、言葉が全く話せないので欧州勢とやりとりするロビー活動ができない。だからルール改正などでいつも後手を踏むことになる。

日本は世界に冠たるスポーツ大国だ。夏と冬を合わせて3回も五輪を開催し、サッカーのワールドカップも開いた国なんて世界中に数えるほどしかない。

ところが、五輪競技数は夏が26、冬は7の計33もあるのに、競技の会長職に就いている日本人は一人もいないのが現実だ。

唯一存在感を示しているのが国際レスリング連盟の副会長を務める福田富昭氏。多忙な合間を縫ってスペイン語を勉強し、海外での大会に出かけた際には理事の連中を誘って食事に連れて行く。

こうした活動を続けて女子のオリンピック競技入りを実現させ、日本のレスリング女子に光を当てたのだ。

いま、日本のサッカー選手がどんどん海外に出て行っている。チームに溶け込み、戦術を理解するには語学が必要だ、ということがだんだん理解されてきている。日本代表GKの川島は数カ国語を話す。

サッカーだけでなく、ほかの競技も海外に出ることが多くなった。こうした選手たちが語学の重要性を理解し、将来、日本スポーツ界のトップに立つ人材になってくれればと思う。

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